第2章 終わりの女
「シン!まだ?用意はできた?」 「お坊っちゃま、いい加減に呼び捨てはおやめ下さい!」 執事は、男の子をしかっていた 「いいじゃん、別に・・ホントいつもうるさいなあ、もお。。」 バシッ! 「あ痛!」 「言われた事をちゃんと聞け!身内でも礼儀は必要…
シンは教会の玄関を出て、車に乗り込もうとしていた その時、先で声をかけた孤児院の職員の人が声をかけてきた 「あの・・・、あなたはシスターのお知り合いですか?」 「いや、、、どうやら人違いのようです、おさがわせしました」 シンはシスターが赤い服…
「大丈夫か?」 神父はシンの向こうで石碑にもたれている死神に声をかけた 「はい・・・」 怪我をしているからというより、少し気まずく感じているようで、神父と目を合わさず返事をした 「心配ない、シンは死んだわけじゃないから」 そういいながら倒れこん…
シンは地面に片膝をつき、剣の先から神父の目へ視線を変えた 「冥土の土産? 残念だが、俺は死んでも他と行き先が違うんだよ」 シンは一度、剣を抜かれた時、その先で見た景色が暗く、何もない場所である事を思い出して言った 「ああ、知っているさ、俺も一…
**数時間前2 「ほんとに行くのね・・」「ああ、俺しかできない事だからな・・すまない・・」「謝る事はないのよ、私がそう話してあなたが決めてしまった事なんだしただ、、、」「ただ?」「私自身、役割を外れたところでの正直なところは、、」赤い服の女…
**数時間前 「あれ?あの人・・・」彼女は視界の少し遠くで目に入った一人の老婆に見覚えがあった「誰だい?知り合いかい?」「うん、ほら、この間話したでしょ占い師さんよこの手のひらを見てくれた」「ああ、君の将来は幸福だと保証してくれた人だね」彼…
「目的はなんだ?」シンは神父が持つ剣を見ながら、聞いた「目的?。。そうだな、これでやり直すんだよ」「何を?」「・・・お前の人生だよ」「俺の?何がやり直せるんだ?」「花嫁との人生だよ!」そう言うと神父は、シンの胸に剣を真っすぐに向けた 「やめ…
「旦那様、お客様がお越しです」「客?今日は誰かを呼んだ覚えがないんだが。。誰だ?」「こないだいらした神父様の妹君のようですが・・・」「え?」シンはそう聞いて、すぐに玄関へ向かった 「や、やあ、今日は突然、どうしたんですか」シンは高揚している…
「暇人」だとさ、俺たちw 「はたから見たらそうだろうなあ」 二人して笑った 「じゃあ、暇人同士あと少しだけおしゃべりといこうかシン、さっきお前はもうトッケビじゃないって話があったが本当なのか?」 「ああ、本当さ昔みたいに、、、空を飛んだり、物…
「もう、何やっているんだよ」彼氏は駆け寄ると、少し不機嫌そうに言った 彼女はうつむきながら、恥ずかしそうに顔を上げた 「だって、何も話してくれなんだもん・・ごめんなさい、男だけで会うなんて、何かあったのか気になって仕方なくって」「ただ、話を…
**回想2 青年期******** 「ばあさん、久しぶり」その青年は木箱と、もう片方の手に小さな花がついた枝を持って暮石の前にいた「あれ、やっぱりあの人、来ているんだな」青年は、手に持った花のついた枝と同じ物がすでにそえられているのに気がつ…
「あ。。。メガネをしていた子供がそうだ!その木箱!その子は木箱を手にかかえていた」 シンは思い出したようだった「正解!思い出したか? お久しぶり!」「私が教えたのよ、彼がどうしてもって聞かないから」赤い服の女が神父に続けて答えた 「だったら、…
「え?これ、まだ使えるんですか?」 死神は点くはずもないスマートフォンンの電源が入り、それも2台同時だったので驚いた 「すごいだろう、手品だよ、手品ほら、普通に使えるから中身を見てみな」神父はそういって、1台ずつ、シンと彼氏に渡した 「一応、…
「なんだか、随分古い物に見えますが。。」死神が今日、初めて喋った 「だろう?これは俺のばあさんの持ち物だよ、重要なのは中身なんだ」そういいながら、神父は箱を開けたそこには、同じ色のスマートフォンが「2台」と封筒一通が入っていた 「これ、スマ…
「シン、すまない」神父は部屋を出てすぐに、詫びた「なんだ、妹の事か?それなら、これからじっくり聞くからいいさ」「いや、それよりもあいつが、、ドクファがあんなに長生きなのはきっと、俺のせいだ」「どうして?、何か心当たりでもあるのか」「昔、お…
二人の後を追った彼氏は、歩きながら不思議な感覚でいた「この家・・」何かを探すように歩いている自分に気がついた「この向こうは確かキッチン・・・」そう言って入った角は、キッチンだった覚えていないはずの過去世・死神であった頃、シンと二人で並んで…
神父の妹はそれを見て、先に話し始めた 「おじいさん、あの。。スミマセン。。。多分、私、おじいさんが知っている人に似ているだけだと思うの」「いや、似ているというより、本人にしか見えなくて。。。」 「実は私・・・」 そういって、神父の方を見た「実…
食事をはじめてしばらく、皆がくつろぎ始めた頃、シンは皆に声をかけた 「実は、この家にはもう一人住人がいるんだ食事が一緒にできないから最初に紹介していなかったんだが、呼んでもかまわないかな」 「勿論ですよ!」 その場の全員が歓迎した 「ありがと…
シンは電話口で、神父と話しをしていた 「今度の週末、時間ないか」「ああ、大丈夫だが、何か用事でもできたか?」「実は今日、こないだ指輪をあげたあの二人から電話があって、食事でもしようと自宅に誘ったんだよかったら、お前もどうかなあ、と思って」「…
車の前で二人は誰かを待っていたしばらくして、神父がその目当ての人を見つけた 「シン、ほら、あそこを見てみな」シンは神父が差す指の先を見た そこには、一人の男が見えた 「あれは・・・死神?死神じゃないか」 「そうさ、死神だよ、懐かしいか?」神父…
「シン、今から時間あるか?」神父は尋ねた 「ああ、俺は全然かまわないが」 「それは、良かった見せたい事があるんだ、一緒に出かけないか着替えてくるから、ちょっと外で待っててくれ」 神父はそういってその場を去った シンは扉をあけて外にでて、しばら…
シンは後日、メモに書かれた住所を訪れたそこは、教会だった 「あ!シンさん!! こっち、こっち」ウンタクに似たその子が、先に気がついて声をかけた 「やあ・・」シンは少し照れくさそうだった 「早速来てくれたんですね、ありがとうございます!私もあれ…
シンはいつもの場所に座り、いつもの本を読んでいた時折ここを訪れ、昔に親しかった人、愛した人を思い出し、終わらない人生の支えとしていた 「ねえ!」 ある日、少し離れた場所から聞き覚えのある女の子の声、いや、忘れもしない声で呼びかけられた 「私の…