トッケビ2次続編 第14話 思い
最後に聞いていい?
=サニーは椅子に浅く座りなおし、背筋を少し伸ばして尋ねた
私も含めてだけど、、、私の過去世での兄(シン)や、王の事は恨んでいないの?
きっと当時、妹さんやあなたの大事な人達は皆、自分たちが望まず、巻き込まれた形で辛い経験をしてしまったように思うの
それでもあなたが今、私の前にいて、ウンタクの事も助けたいと思うのは、何か理由があっての事なの?
=サニーは男が姿が見えない間もずっと、皆を見守り続け、助けてくれていたその理由を知りたかった
=男は答えた(書き始めた)
確かに、妹を失った直後は、王や。。。シンの事も恨んださ
ただ、その感情はほんの一瞬だったんだ
俺たち兄妹は何も、罰を受けるような事はしていない
だから、出てきた感情は「なぜ?」っていう、疑問さ
どうして、俺の妹なんだ
どうして、俺なんだ
と。。。。
=男は迷わずにペンを走らせ、答えた
恨みってやつは、その相手が存在していないと持てない感情なんだと思う
=男は妹を失った後、すぐにシンも死に、王も毒を自らすすんで飲んで自害した事で、
=行き場の無い感情を持ってしまった事を話した
だから、恨みなんかなく、どうしてこんな目にあったのか・・
あの時、何か他の選択肢がなかったのか・・・
運命ってなんだ?
ずっと、その答えがない事の方が、、辛かったかな
=男はペンを止めて、少し考えてから
結局、自分に対してしか考えられなかった
残ったのはこれだよ、「後悔」「未練」
=男は単語を二つメモに書いて、それぞれをグルグルと丸で囲んだ
だから、サン。。君の事も、シンの事も一切恨んだりはしていないさ
勿論、今の死神だって過去世が王だったとしても、今のあいつにはなんにも関わり合いがないことさ
それこそ、今でも恨んでいるなら、それは「逆恨み」になってしまうよ
=サニーは、ホッとした
=シンや、、、死神の事も恨んでいないと聞いて、安心した
ウンタクの事は?
=サニーは続けて聞いた
シンの嫁か。。。
俺は・・・・
=男は少し、話ずらそうにしている
=サニーは黙って、男が続きを書くのを待っている
=男は書き始めた
シンの嫁の事は、俺の妹だと思っている
(!!!!!!!!)
=サニーは驚いた
=確かに、ここまで昔に同じ時期を過ごした者同士が会うのだから、その可能性はあった
それ、確かなの?
=サニーは前のめりに聞いた
いや、ただそう思うだけさ
なんの根拠もないんだけどな
ただ、、、シンの事をあれだけ愛せるのは、俺の妹ぐらいだから・・・
=男は続けた
ま、その〜・・・
=男は急に恥ずかしそうにした
死神と、、ほら、、、あれ、なんだ、、、
=サニーは先に答えた
死神とキスをすれば、わかるんでしょ?
=サニーは自分がそうして過去世の自分の事を思い出したので、その事を良く分かっていた
そうそう、そうなんだが
シンの嫁に、他の男・・・それに、死神とやれとは言えないだろう
=男はますます恥ずかしがっていた
もう、バカ!
=サニーも自分の事を思い出し、少し顔が赤くなっていた
=男は少し引きつった顔で笑っている
シンの嫁については妹かどうかなんてまったくの思い込みだが、それでも俺は、知っている誰かの助けになれているなら、それだけでも良いと思っている
自分勝手なだけさ
だから君は何も気にしないでくれ
=サニーは黙ってうなずいた
=男は店の時計に目をやった
そろそろだな、死神の見回り時間だ
奴が、お前を探しに来るから、そろそろ俺は失礼するよ
=サニーは不思議に思った
どうして?ここに来るの?
=男は笑って答えた
あいつ、几帳面なやつでな
行動がワンパターンなんだよ
ま、そのおかげで、俺は死神の目を盗んで会えるんだけどな
=死神は、シンが居なくなった後もずっと、サニーの事が気になり定期的に会いに来ていた
早い内に、死神とも話をした方がいいぞ
サン、君が記憶がなくなっているフリなんて、元々しなくていいんだから
=サニーはずっと、死神が見えても目も合わさず、知らないふりをしていた
そうね、、もう少し考えてみるわ
=そういって、二人は店を出た
=男は帰り際、預かったスマフォをポケットから出し、本体にキスをしてその手で軽く手を振った
(よっぽど、それ、気に入っているのね)
(ほんと、おかしな人)
=サニーも笑いながら、手を振った
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