トッケビ2次続編 第21話 大切な人

声?が・・・

=男は自分の声が自分の耳に入った事に気づくのに少し間があった

=男は刃から伝わる感触で、サニーがまだ刃を抜こうとしているのが分かり、我に返った

 

=刃を握ったサニーの手を上から片手で握り、

離せ、いますぐ手を離すんだ!

 

=サニーは決して離そうとしない
=力いっぱい刃をつかんでいるため、その手から出血しはじめていた
=男も無理矢理はがそうとする事もできず、手を添えるだけしかできないでいる

 

少し辛抱していて
このまま引き抜いてあげるわ
=サニーの指の間から血がにじんできている
=その血は、サニーの手の上にある男の拳と腕をつたって地面にしたたりはじめた

 

=サニーは力が足らないと思い、スカーフをとったもう一つの手を男の拳の上にのせ、抜き取ろうとする
=男もさらにその上に自分の手を重ね、抜くのを止めようとする

 

サン、いつから見えていたんだ
=男がそう尋ねるも、サンは微笑むだけで刃だけを見つめて答えようとしない

 

(・・・そういえば以前、サンは俺のこの刃を剣と呼ばず「それ」と言っていたな、、、)
=男は自分の鈍感さに少し腹を立てた

 

俺は、、、、昔、この同じ状態で妹を殺し、自分を殺したんだ
この刃はその罰だから、抜く必要はないんだよ
だからサン、その手を離してくれ


=男のその声は優しくなり、悲しみをふくんでいた

 

=サニーは答えた


それは違うわ
あなたの妹はその時、苦しんでいる自分を楽にしてくれた事を今でも感謝しているわ
それに、自害した事は当時は状況が仕方なかったんだから、きっと許しているわ
私も妹だから、それがわかるの

 

=男の手はずっとそれを止めているのに、サンはまだ自分で抜こうとする
=男の瞳から、一筋の涙がこぼれた

 

・・・わかったよ、サン
ありがとう、俺の負けだ
君は昔から、強情な人だったからな
=男もやっと、笑った

 

もし、シンに会ったら伝えてくれ、止められなくて済まなかったと
それと、サン・・・・シンの嫁。。俺の妹にはまたいつか会える、だからお前も早く忘れるんだぞ
=サニーは男の話が良く理解はできなかった
=ウンタクが死んだ事をまだ知らないからだ
=男はその事を知っていると思いそう言ったが、知らない可能性に気づき、それ以上は話さなかった

 

あなたはずっと、何百年も生きていたんだから、まだ1回目の人生よ
あと3回は生まれ変われるわ
安心して、次はきっと、、、いえ、必ず幸せなはずよ
=サニーはそう、自信を持って言った

 

終わりは突然にやってくるんだな
意外に自分が落ち着いている事に、驚いているよ
俺は「今」が幸せだ
サン、君におくってもらえるんだから
君も、昔の自分を責めないで、今を大事に生きてくれ


=男は、すべてに納得しているようだった

 

もうこれ以上、君の手を傷つけるわけにはいかない

 

=男は握りしめたサンの手を自分から遠ざけるようにした
=サニーの手の中にある刃はそのまま、スッと、のどから引き抜かれた

 

=男の姿は燃え尽きるように足下から少しずつ、すこしずつ、消え始めた
=男はその手をおろし、サニーの瞳をみながら、サニーの方へ倒れ込むようにして口づけをしようとした
=サニーもそれがわかって目を閉じた


=・・・唇がかさなろうとしたその瞬間、男の頭には王の生まれ変わりである死神の顔が浮かんだ
=男は顔を少しずらしてサンの唇をさけ、両手で抱きしめるだけにした

 

俺はお前にとっては一番じゃなかったな、、、やめておくよ
そのまま目を閉じていろ
=男がそういった後、サニーは身体が一瞬中に浮き、足が地面から離れた感覚があった

 

ここでいいだろう、目を開けるんだサン
=サニーはそう言われて目をあけると、そこはさっきまでいた公園ではなく病院の前だった
=男はサニーを片手で抱きしめたまま横に停まっている救急車に目をやり、ジッと見つめた
=その瞬間、薄い青い炎が車体を包み込んだかと思うと消え、急にサイレンが鳴り出した

 

これで、誰かが見つけてくれる
俺は病気や怪我を治す能力はないんだ
その手、、、すぐに医者に診てもらうんだぞ
=男はそういって、自分のスカーフをサニーの血だらけの手に巻き、傷口をふさいだ
=サニーの手にあった刃も消えていた

 

サン、、、最後だから呼ばせてくれ、サニー と
俺は、昔からサンには憧れていた
ただ、俺が愛しいと思ったのは今の君だよ、サニー
本当にありがとう
絶対に忘れないよ
また、いつか会・・・
=男はそう最後に言い残し、完全に消えた

 

ええ、またきっと会えると信じているわ

私はあなたのことも、誰の事も絶対に忘れないから
=そういって膝を落としまま、大粒の涙を流して泣いた
=血だらけの手をあわせたまま

 

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