トッケビ2次続編 第23話 旅立ち

=数十年後の現代
=サニーは病室のベッドの上にいた
=余命がもう残り少ないと言われ、親族が集められている
=サニーはスカーフの男が去ってから、シン達のいる街には戻らなかった
=そのまま、男が去った地で暮らし、家族を持って歳を重ねた

 

悲しむことはないのよ
私の人生は1000年分なんだから、何も悔いはないわ
貴方たちだってそうなんだから、、、
どこかでまた会えるわよ
=サニーはそう、か細い声で皆に別れの言葉をかけはじめた

 

=周りの家族はよく、サニーから自分が生まれるよりもっと前の話を聞かされていた
=生まれ変わりの話はずっと作り話だと思っていたが、
=今は親族皆が、そうあって欲しいと願っている

 

さあ、こっちへいらっしゃい
=サニーはまだ、生まれて間もない孫に手を差し伸べた

 

ほら、この子がそうなのよ
もう会えてるの
ほんと・・私の前にいるときは、いつも話せないんだから・・
=サニーは孫を愛で、また、懐かしそうに接している

 

私は分かったの
一緒にいるだけで、それが幸せだったの
最初から求めるものは、目の前にあったのよ
あなたも私も、誰かに何かをしようとしなくて良かったのよ・・・
=サニーは孫の目をジッとみて、うすく涙を浮かべた

 

貴方たち、本当に最後までありがとう
よく覚えていてね
運命は変えられないかもしれないけど、その解釈は誰もが自由なの
だから、何があっても誰かを疎んだり、自分を卑下したりはしないでね
ずっと、幸せなんだから・・・

=サニーは集まってくれた親族皆にそう最後に言うと、薄く笑みを浮かべてそのまま、静かに息を引き取った


=親族は皆、下を向き泣いている
=傍らの小さな孫の手は、傷のある彼女の手にずっと触れていた


=サニーは一瞬暗くなったかと思うと、小さな光に導かれ、見たことのない部屋の扉の前にいた
=ドアのノブに手をかけた時、自身の姿が若い頃に戻っている事に気がついた

 

ここって、天国ってやつかしら・・・
=サニーは扉を開けた

 

=中は部屋になっていて、一人の男が立っていた

 

やあ、久しぶり
昔のまま、全然変わらないね
=その男は、ずっと会っていなかった死神だった

=冷静になろうとしているが、目からは涙がこぼれていた

 

あなたもね
全然かわらないわね
=サニーもまた、再会に目が潤んでいた

 

どうぞ、そこの椅子にかけて
=死神はサニーを案内した

 

君は、死んだんだよ
ここは審判の部屋といって、天に帰るまえに今までの人生を整理する場所なんだ
=死神は優しく、サニーにそう説明した

 

そうなの?
人生の整理ってどうするの?
=サニーは若い頃のように、無邪気だ

 

=死神は微笑んで答えた
ここにお茶があるだろう
これを飲むと全ての記憶が消えるんだ
勿論、飲まなければ消せない事もできるんだけど。。

 

=サニーは少し間があったが、すぐに返事をした
飲むわ!私、飲む!
だって、私の人生は幸福だったから
もし、生まれ変われるならまた、一から全部経験したいもの

 

ほんと、君らしいよ
=死神はずっとサニーを見つめている

 

それより・・・どうしてお茶が二つあるの?
=サニーは死神の前にも置かれているお茶が気になった

 

実は、今日が僕の最後の仕事なんだ
だから・・・サニー、君と一緒に行くことにしたよ
いいかな?

 

=サニーは笑って答えた
勿論よ。。。って選択肢ないじゃない
仕方ないわね
じゃあ、最後に乾杯ね!

 

=サニーはそういって茶碗を持った手を上げた

 

そうだね、乾杯!
=死神とサニーは茶碗を軽く合わせて音を鳴らすと、二人同時にお茶を飲んだ

 

さあ、行こうか
=死神はサニーの手を握り、階段の方へ向かった
=その時、つないだ手に少し違和感を感じてサニーの手の平を見た

 

・・どうしたんだい、この手の傷は?
=死神がそういってサニーの手をとると、
=深い怪我であったであろう、しっかりとした傷跡が手の平に真一文字に残っていた

 

これ? 気になる?
実はね、私も花嫁だったのよ
候補、、、みたいなもんだけどね
私、いい男にモテるんだから仕方なかったのよ
=彼女はあどけなさの残る笑顔で、そう答えた

 

=死神は意味がわからなかったが、サニーが笑顔で返したので安心していた
君が好かれる人である事は、僕もよく知っているよ
僕も、いっぱい話したい事があるんだよ

 

=そう言って二人は見つめ合い、死神はサニーの傷のある手をそっと優しくまた握り、一緒に階段を上がっていった

 

また、会えるといいわね

ああ、本当に心からそう願うよ

 

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