トッケビ2次続編2 第4話 指輪

車の前で二人は誰かを待っていた
しばらくして、神父がその目当ての人を見つけた

 

「シン、ほら、あそこを見てみな」
シンは神父が差す指の先を見た


そこには、一人の男が見えた

「あれは・・・死神?死神じゃないか」


「そうさ、死神だよ、懐かしいか?」
神父は少し自慢げだった

「ただ、実際は死神本人ではなく、死神の生まれ変わりだよ
王ではなく、死神のな」
神父はシンの驚いた顔に喜んでいた

「まだ、あるんだぜ
もうちょっと待ってると、もっと面白いことになるから」
そういって、シンにもう少し一緒に待つよう勧めた

 

それから数十分経っただろうか、その死神に似た男のそばに一人の女性が現れた
待ち合わせの時間に遅れたようで、謝っている

「サン・・・」
シンはすぐに、その彼女が花嫁であるウンタクと一緒にいた頃のサニーと同じ姿をしていたため、その生まれ変わりであった、過去世の妹の名で呼んだ

 

「大正解!! これで勢揃い!!

ちなみにあの子はサンの生まれ変わりではなくって、サニーの生まれ変わりさ!
どうだ、すごいだろ?びっくりしただろう?」
神父はシンが想像通りの反応をするので、嬉しくて仕方が無かった

 

「また会えるんだぜ、こうして
だからさ、悲しむ事なんて何もないのさ
これぞ、神の仕業!って感じだろう?
良かったなあ、俺たち!」
神父はシンの肩を組んで、その肩を数回たたいた

 

「ああ、本当に、、本当に嬉しいよ」
シンはただただ、感動していた

そんな大声で話す二人に、彼女の方が気がついた


「あら?あの人・・こないだの緑の指輪の人じゃない」
サニーに似たその彼女が、死神に似た彼氏にそう言った
「本当だ・・なんかこっちを見ているね」

 

「はは、こんな近くではしゃいでいたら、そらばれるわな」
神父はそういって、はばかる事もなく二人に大きく手をふった
「ほら、シン、お前もあいつらに手をふれって」
シンは神父にそう言われ、不器用な感じで一緒に手をふった

 

彼女の方が彼氏の手を引っぱって、寄ってきた

「こんにちは、また会いましたね」
彼女は神父に気軽に声をかけた

 

「ああ、やっぱり縁がありましたね、今日もデートですか」
神父は神父用の口調で会話を始めた

 

「はい、そうなんです、お兄さんも今日はお友達と・・・」
彼女はそう言いながらシンの方を見ると、シンは彼氏の方をずっと見ていた
彼氏の方も、ずっとシンを見ている

 

「どうしたの?知り合い?」
彼女は彼氏に聞いた
「いや、そうではないんだけど・・・」
彼氏はそういって、すぐに彼女の方を見た
神父はそんなシンと彼氏を見て、笑っている

 

「失礼、ご挨拶遅れました」
シンはそういって、二人に自分の名刺を差し出した
「え!これって、、、あの財閥の偉い人なの?」
「・・・・・」
二人はその名刺に書かれてる肩書きを見て少し恐縮してしまった

 

「何か困った事があったら、いつでもご連絡下さい
何かのご縁ですから」

「は、はい。。」
二人は突然の事で、どうして初対面の人にそう言われるのかよく分からなかったが
とりあえず、受け取った

 

「そうそう、私からもあるんです」
神父はそういって、首にかけていた緑の指輪をぶら下げていたチェーンを外して、彼女の前に見せた
「これを差し上げたかったんです」
「え?!私に??」


彼女は驚いたが、神父はその手をそのまま彼氏の方へ持っていった
「いえ、彼氏の方にです」

「え?僕にですか??どうして・・」


神父は彼氏の目を見て、
「もし、彼女の事を一生大事にすると誓えるようになったら、これをあなたの手から彼女にプレゼントして欲しいんです」
そういって彼氏の手をとって、手の平に乗せた

 

「はい、わかりました」
「え!?わかりましたって、あなた、少しは考えるか遠慮くらいしなさいよ」
彼女は即答で受け取った彼氏を少し恥ずかしいと思い、そう口にした

 

「ほんと、大事な時でもいつも無表情なんだから、あなたって、そういうところ、」
彼女がそう口にしたのとあわせて、シンと神父は一緒に
「死神みたい・・だろ?」といって、笑った
彼女は自分が言おうとした事を先に言われて、目を丸くしている

 

「じゃあ、私たちは所用があるんでこれで失礼します
今からデートですよね?、どうぞお二人で楽しんで下さい、お邪魔しました」
神父はそういって、シンと車に乗って、その場を去った

二人はとりあえず、一緒にお辞儀をして見送った

 

「指輪、、良かったのか」
シンは車の中で、神父が死神に指輪をあげてしまった事を少し気にしていた

「ああ、勿論さ!
あれは元々は王の物だし、王がサンのために用意してあげた物なんだからな
俺が大事にずっと持っている方が可笑しいのさ
持ち主に返しただけだから」
神父はとても満足そうに、そう言った

 

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