トッケビ2次続編2 第9話 赤い服の女

「シン、すまない」
神父は部屋を出てすぐに、詫びた
「なんだ、妹の事か?それなら、これからじっくり聞くからいいさ」
「いや、それよりもあいつが、、ドクファがあんなに長生きなのはきっと、俺のせいだ」
「どうして?、何か心当たりでもあるのか」
「昔、お前達の前に姿を見せる事ができなかった時、あいつの身体を何回か借りたんだ」


シンはドクファが若い頃、突然、別の人格になる事が数回あった事を思い出した
「お前だったのか?あれは?」
「ああ、そうさ・・
多分、その影響で通常の人間以上の生命力を得てしまったような気がする」

神父はドクファが長生きしている事が辛いと言っていた事に少し、罪悪感を感じていた


「・・・いいさ、あいつがそれで不幸になったわけはないんだから」
シンは、怒らなかった
「ドクファはそのおかげで、今日という日を迎えられたんだし、何も問題ないさ
さっきも当人が、幸せだっていってたじゃないか」

「そうだな、それならいいんだけど」

神父はそれを聞いて、少し安心した

 

「あいつはあいつで、与えられた長い時間の中で生き方について考えたり・悩んでいたりしているだけで、その理由を知りたいわけではないし、また、誰かのせいにしたいわけでもないんだよ、
俺も長生きだか、それを誰かのせいだと思った事はないさ

お前だって、以前はそうだっただろう?」
「ああ、勿論だ」

「身体は不自由でも、老い自体は尊敬するべき称号なんだから」

そういって、シンは励ますように微笑んだ

 

「それより、、」

シンは先の話をぶり返した
「妹のこと、それとお前の事もしっかりと話してもらわないとな
どうしてここまでの事になったのか、全部説明しもらうぞ、全部」
「そ、そうだな、、またの機会にな」
勿論、神父もそのつもりで話をしたくわけではなかった

何から話をすれば良いか今は分からず、とりあえずはぐらかした


「あ、あのう・・・できたら僕も全部聞きたいです」
二人は後ろを歩く彼氏の事を少し忘れて話しをしていた事に、気がついた

「そうだな・・・・まあ、いいだろう、お前もその姿でいるって事は、おそらく当事者だろうしな
ただ、何を聞いても彼女には絶対に聞かせるなよ、絶対にだ」
神父は今の妹や彼女には、昔の記憶を思い出させるのは辛い目にあわせるような気がしていた
シンも神父のその考えと同じだった

 

「はい、必ずお約束します」
彼氏は強く返事をした

「そうだ!これからは、お前の事を死神と呼ばせてもらう、いいな」
「え?・・・自分の名前は、、、」
彼氏は突然のふりに返答に困った
「すぐになれるよ、死神くん」
シンはそう話をかぶせて、二人は戸惑う彼氏の顔をみて笑った

「死神くん、じゃあ今度、初めて会った喫茶店で会おう」
「はい!」

 

*数日後*

 

「ねえ、来週もいつもの時間で待ち合わせでいいよね」
「・・・いや、すまない、、その日は用事があるんだ」
「え?そうなの、仕事?」
「・・・こないだ食事にまねかれた時にシンさんと神父さんと会う約束をしたんだ」
「あれ?いつの間にか仲良くなったのね、じゃあ、私も一緒に」
「いや、今回は僕だけで行くよ」
「どうして?なに?一緒じゃ駄目なの?」
「・・・駄目ってわけではないんだけど、、、そう、男子会ってやつさ」
「はあ?何それ、全然面白くない!」

 

*約束の日*

 

シンは指定された喫茶店の前に着いた
車を降り、入り口のドアをあけて店内に入り、探した


すでに、神父と死神は席についているのがわかったが、そこにはもう一人、入り口に背を向けた神父と一緒に女が隣に座っていた
シンに気がついた死神は、シンを呼んだ
「シンさん、こっちです!」
そう呼ばれて卓に近づいた時、すぐに女の方が声をかけてきた

 

「久しくあっていなかったわね、お元気だったかしら」
その女は、赤い服を着ていた

 

「お前だったか、ああ、元気さ」
シンは無感情な顔をしていた

 

「久しぶりだというのに、無愛想ね、ま、あなたらしいわ
さあ、座って」
そういって赤い服を着た女は、死神の横に座るようまねいた

 

「私がどうしてここにいるか、それから話が必要かしら」
シンも赤い服を着た女も、そこに神父を死神もいないかのように、会話を続けた


「今日は全部聞くさ、お前がここにいるって事は、何かしらあるって事だからな」
「理解が早いと助かるわ」
女はそういって、先に注文したティーカップのお茶を一口のんだ

 

「あ〜、やっぱり連れてこない方がよかったかなあ。。」
神父は話がややこしくなりそうで、少し後悔している感じだった

「連れてこなくても、都合で勝手に現れるだろ、こいつは」
シンは呆れる感じで答えた

 

「まあ、失礼ね、まるで私が化け物みたいな言い方ね」
「似たようなもんだろ」
赤い服を着た女は、シンとは逆で、会話を楽しんでいるようだった

 

「・・・」
死神はずっと、黙っている

 

「さあて、じゃあ、俺のことから話をしようかな」
神父は手を揉みながら、二人の会話をさえぎるように話を始めた

「ああ、初めてくれ、この女がここにいる理由は後だ」
シンも女との会話がとりとめもないので、神父の方を向いて話を聞くことにした

 

「これが今回のすべての始まりさ」
そういって、古い木箱を卓上に置いた

 

 

ブログ村 韓ドラ二次小説

 

次話

310sh1.hateblo.jp

 

最初

310sh1.hateblo.jp

第1章

310sh1.hateblo.jp