トッケビ2次続編2 第10話 形見と思い出

「なんだか、随分古い物に見えますが。。」
死神が今日、初めて喋った


「だろう?
これは俺のばあさんの持ち物だよ、重要なのは中身なんだ」
そういいながら、神父は箱を開けた
そこには、同じ色のスマートフォンが「2台」と封筒一通が入っていた

 

「これ、スマートフォンってやつですよね、それも箱並みに古い骨董品じゃないですか」
さすがに死神は現世の人間なので、よくわかっているようだった


「なつかしい・・」
シンはそれを覚えているようだった
「シン、これがわかるのか?」
「ああ、サニーが使っていたやつだろう、見覚えがあるよ」
「そうか、覚えていたか・・それは嬉しいよ」
「ただ、どうして同じ物が2台もあるんだ?」
「その分けまでは知らないよな、1台はサニーので、2台目は俺のだ

俺が当時、トッケビであった頃にサニーから借りた物だよ」

神父は1台を手にとり、そう答えた

 

「その封筒は?」
シンはスマートフォンの下にあった、古びた封筒を指差した
「この中身は、お前たちの物だよ」
そういって、神父はシンにその封筒を手渡した


「死神、お前も一緒に見るといいよ」
「は、はい」
彼氏は遠慮して封筒からは目をそらしていたが、神父がそう言ってくれたので、シンが開けた封筒の中身を一緒に見た
そこには1枚の写真が入っていた


「これは・・・」

シンがそう口にした時、横の彼氏は強い動機をしている自分に驚いた
「え??」
彼氏は自分の片方の目から涙が流れるのに気がついた
「あれ?なんでだろう、すみません・・」
彼氏自身はその理由はわからず、慌てるようにすぐに手の甲でふいた

その写真には、シンと死神、それとシンの花嫁だったウンタクが3人で一緒に写っていた


「あの、僕はシンさんと神父さんの妹さんと一緒に写真を撮った覚えはないんですが・・」
「ああ、そうだろうな
これはな、お前が生まれるずっと前の物だよ、俺のばあさんの形見なんだから」
「・・・」
彼氏はわけが分からず、何も言葉が見つからなかった

 

「冗談と思ってもらっても構わない、そのままを話すよ
これは、お前と俺の妹の前世の姿なんだ」
「前世?」
「ああ、まったく同じ姿ってのは稀なんだが、お前は当時、死神としてそばにいたんだよ」
「死神??」
「それと、俺の妹はシンの花嫁だったんだ」
「花嫁??」
彼氏は、写真をずっと見ているシンの方を見た

 

「これを撮影したのは、ドクファだよ」
シンは口を開いた
「あいつ、新しいカメラを持って、はしゃいで撮ったんだ」
「そうか・・・」
「つい最近の事のようだよ」
シンは当時を懐かしそうに、まだしばらく見入っていた

 

「じゃあ、ここに写っているシンさんも前世の姿なんですか?」
彼氏は尋ねた
「いや、こいつだけは別さ
この姿のまま、ずっと生き続けているんだ」
「???」

「はは、もうわけがわからないだろう
シン、俺の妹から受け取った写真、あれ、もってるだろ?

ちょっと出してくれ」
「ああ」
シンはそういって、以前にいつものお墓のある丘で神父の妹からあずかった写真を内ポケットから取り出した


「あれ?これはサン??それに神父さん??」
彼氏はそこに写る二人を見て、不思議に思った


「これ、この間の食事会で妹さんが加工した写真とかいっていたやつでしょうか・・」
「なんだあいつ、そう思っているのか、、まあ、妹には何も話はしていないから、それが普通の反応だろうな
いや、これは加工されたものでもなんでもないよ、俺のばあさんと、前世の俺自身が当時一緒に撮ったものなんだ
俺も以前はシンと同じトッケビで、ずっと長い間生きていたんだよ
隣に写っているサニーと会うまではな・・・」
トッケビ??」
「今のお前の彼女は、おそらく、俺のばあさんの生まれ変わりなんだ

それと、その事はシンの妹の生まれ変わりでもあるって事なんだ」
「・・・」
彼氏は話を理解しようと、必死だった

 

「そこは俺から説明してやるよ」
シンはそういって、トッケビのこと、自身のこと、神父との昔からの縁、サニー、それと花嫁であるウンタクのことを話した

 

「それじゃあ、神父さんの今の妹さんはシンさんの花嫁の生まれ変わりなんですか?」
彼氏が尋ねたが、シンはそれに対しては答えられなかった

神父が替わりに答えた
「いや、まだそれはわからないんだ
ただ、あの容姿や今の関わり方を思うと、多分そうだろう・・な、そうだよな?」
神父は隣に座る赤い服の女に尋ねた
「さあ、どうかしらね」

女は、はぐらかすように答えた
「・・・」
シンは少し答えを期待したが、自分から尋ねることはやめて、神父に次を尋ねた

 

「で、お前はどうしてサニーの孫として現世に人として生まれ、それなのに全てを知っているんだ」
「それは、その2台のスマートフォンがきっかけだよ、それとこいつのな」
そういって、隣に座る赤い服の女を見た


「こいつって、すっかりえらくなったわね、坊や」

女は神父の事を子供扱いしているようだった
「はは、そうそう、あれ、見せてやってくれよ、いつもの手品」
神父は少し顔を赤らめて、女に頼んだ
「ええ、いいわよ」


神父は箱からスマートフォンを取り出し、女の前に置いた
女は左右の手のひらを、卓上に置かれたスマートフォンにそれぞれ置いた
(ブブブ・・)
(ブブブ・・)
その瞬間、2台の古いスマートフォンの電源が入った

 

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