トッケビ2次続編2 第12話 出会い

「あ。。。メガネをしていた子供が
そうだ!その木箱!
その子は木箱を手にかかえていた」

シンは思い出したようだった
「正解!思い出したか? お久しぶり!」
「私が教えたのよ、彼がどうしてもって聞かないから」
赤い服の女が神父に続けて答えた

 

「だったら、小さい時に記憶が戻ったんでしょうか?」
死神はずっと食い入るように聞いており、思わず聞いてしまった
「あ、ごめんなさいシンさん、つい・・・」
「いや、構わないよ で、どうなんだ?」
シンが神父に聞いた

 

「子供の頃はもちろん、昔の記憶はないさ
木箱に入った写真に映っている人はばあさんの若い頃って事だけで、他は誰かも検討がつかなかった
スマートフォンも2台とも壊れているから、何か思い出があるんだろうなあ、くらいだよ
ただ、写真のうちの一人が、妹に面影が似ている事がずっと気にはなっていたんだ
写真の人は妹の本当の親じゃないかとも想像していたよ
それである日、この人に会ってから色々とわかってきたんだ」
神父はそういって、赤い服の女をあらためて紹介した

 

「そうね、あの頃はあなた、ウブで可愛かったわよね」
赤い服の女は微笑み返した

 

「シン、普通の人間が前世の記憶を戻す方法って知っているか?」
「ああ、勿論」
「え?方法があるんですか?」
死神がシンの方を向いて尋ねた

「俺が知っているのは。。。死神と、、」
「死神と?」
元死神である彼氏は真剣な顔で聞いている

「その。。。」
「シン、お前、そこで照れるなよ、お前はいまだウブだな

言えないなら、俺が言うよ
死神と付き合って、キスをするんだよ」
神父は笑いながら、言った

 

「は?死神と?キス?」
彼氏は意外な答えで驚いていた

「そうさ、死神と真剣に付き合って、お互いが本気で気持ちが確かなら、キスすると記憶が蘇るんだよ」
「そうなんですか?。。。僕は何か特別な儀式があって、不思議な薬品みたいなのを飲んだりするんだと思いました」
神父はそれを聞いて今度は、大笑いした
「ははは、それもいいな」

 

「という事は、死神がそばにいるのか?」
シンが聞いた
「シン・・・薄々気がついていたが、やっぱりお前、もう死神が見えないんだな」
「ああ、ずっとそうさ・・・トッケビとしての特殊能力はもう、ない」
「そうか・・」
「ただ、ずっと生き続けているだけだ
死ねないといった方がいいかもしれない」
シンは花嫁を失ってから、トッケビとしての役割を降ろされたようだった
シンは赤い服の女に少し視線をやったが、関係はないだろうと思いすぐに神父に視線を戻した

 

「いや、残念だが死神はそばにいないよ、
俺はな、この人に直接戻してもらったんだよ、記憶を」
神父は赤い服の女に記憶を戻してもらったのだ
「私は手助けしただけよ
彼がそう、強く望んだから」
「ああ、強く望んだ。。小さい頃からずっと、望んでいたよ」
神父は、赤い服の女との出会いを話始めた


**回想1 少年期********


「おばあちゃん」
その少年は、サニーの暮石の前にいた
「もう一人でここに来られるようになったよ
空の上で元気にしてますか」
少年は暮石に向かって話かけていた


「あのさ、これ、おうちで見つけたんだ」
少年は脇に抱えていた小さな木箱を、暮石に見せた
「勝手に中をみちゃった、ごめんね
写真っていうのかな、それが2枚と、これ、スマートフォンっていうんだよね
電源入らない見たいだけど」
少年は木箱に入っている2台のうちの1台のスマートフォンを手に取った
「なんだかね、これ、知っているんだよね、僕・・・
まだ、おばあちゃんが生きている時、見せてくれた事あるのかな?大事な物だったのかな?」
少年は手に持ったスマートフォンを裏返しにしたり、角度を変えたりして、暮石に見せていた


「それとね、この写真」
少年はスマートフォンを元に戻すと、底に裏返しでおいてあった写真を一枚、取り出した
「おばあちゃんと一緒に写っているこの男の人、おじいちゃんじゃないよね?

兄弟がいたのかな?・・・、

あんまり、家族の人にも聞いちゃいけないような気がして、聞けてないんだ」

その少年は子供心でも、身内ではない人で何か関係があった人のような気がしていた


「それに僕、この写真を見て、なんだか変なんだ
なんていうか、モヤモヤするんだ」
少年は写真を見て、自身にある違和感の様なものをずっと感じているようだった


「それ、気になるの?」
少年は、背後からのその声に驚いて、振り向いた
そこには、赤い服をきた女が立っていた


「え?あ・・そ、その。。」
少年は独り言を見つかったかようで恥ずかしくもあり、はにかんでいた


「ふふ、ごめんなさい、お邪魔だったかしら」
「いえ・・・ビックリしただけです」
少年は目の前の女性が微笑みかけてくれたので、少し落ち着いた


「あなた、この子と知り合い?」
赤い服の女は、暮石をみながら質問した
「おばあちゃん、、はい、僕は孫です」
少年は祖母をこの子と呼ぶその人に、少し背筋が伸びた感じになった


「孫ね」
赤い服の女は最初から知っているようで、自身が質問した答えには無関心のようだった
女はそのまま手にもった、花がついた枝を暮石に供えた


「あれ、それ。。。いつも、ここに来てくれているの?」
少年は、いつも暮石に小さなピンク色の花がついた枝が供えられているのを知っていた


「そうかもね」
赤い服の女は少年の方は向かずその枝を供えるとそのまま、暮石のまわりに落ちた花びらを拾いはじめた
「あなた、その写真の人達が誰だか知りたい?」
その女は箱の中身を見ないでも知っているようだった
「はい!知りたいです!」
その少年の眼差しは真剣だった


「それがもし、辛い話であっても、知りたい?」

赤い服の女は試すように聞いた
「はい、それが辛くても、おばあさんの大事な思い出なら、きっと、おばあさんにとっては幸せな事だと思うから」
「あら、しっかりした子ね」
女はそれを聞いて安心したようだった


「その中の一人、男の名はシンよ
いつも、一人で本を読んでいるわ」
「え?この人、まだ生きているんですか?」
「ふふ、そうね、生きていたらおかしいわよね」
「どこに、この人はどこにいるんですか?」
少年は食いつく様に必死になっていた


「さあ、どこかしらね」
女は少しいたずら気味に答えた
「あなたが、強く望むなら、きっと巡り会うわよ」
女はそういって、花びらを拾い続けた
「あ、僕も!」
少年は赤い服の女が花びらを集めて周りの掃除をしているもんだと気がつき、一緒に手伝おうとした


だが、女は違うようだった
赤い服をきた女は手に集めた花びらを、少年に向かって、フッと息を吹きかけて飛ばした
少年は花びらが自分に飛んできたので、反射的にあわてて目を閉じた


「また、会いましょうね、坊や」
そう、女の声が聞こえたと同時に少年は目を開けたが、もう、目の前には誰もいなかった

 

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