トッケビ2次続編2 第15話 幸福かどうかなんて

「暇人」だとさ、俺たちw

「はたから見たらそうだろうなあ」

二人して笑った

 

「じゃあ、暇人同士あと少しだけおしゃべりといこうか
シン、さっきお前はもうトッケビじゃないって話があったが本当なのか?

「ああ、本当さ
昔みたいに、、、空を飛んだり、物を触らずに動かせたりはしないよ」
シンは自身をちゃかすように話した

 

「じゃあ、その胸にも剣がもう刺さっていないのは事実なんだな」

「そうさ、もう何もない

「剣を抜かれた後に自分の意思でまた現世に戻ったから、恐らくそのせいでトッケビとしての全ての能力は失ったんだと思う
今はただ、永い寿命を与えられているだけの違いさ
それも、いつ終わるのか、終わらせる事ができるのかもわからないままなんだけどな」

「そうか・・・」

「だから、お前の今の妹に期待して、また花嫁としてのなにか役割をさせようとなんか、これっぽちも思っていないんだ
抜いてもらう剣もないんだから・・・
妹のことは、、、ただ、、、再会できたようで嬉しかったんだ
普通の感情だよ、人としてな」

「もう、わかったよ

気に入った女がいる時の気持ちは十分にわかるんだか・・
それが俺の妹であるとなると、応援しようにも兄としては複雑な心境ではある」
神父はシンと目をあわせて、二人で笑った 

 

「シン、こんなに平和な世の中になるなんて、昔は想像もできなかっただろう?」
「なんだ突然、、、、ああ、想像はできなかったよ」
「奪い合う事も、それで殺し合う事もないんだから」
「ああ、本当だな」
「昔の皆んなも、生まれ変わってどこかで、この平和を満喫してるんだろうな」
「そうだな・・」
「まさか、王が生まれ変わって死神になって、今度また会って、今日みたいに一緒にお茶を飲むなんて、、あり得ないよな」
「はは、その通りだ」
シンと神父は、さっきまでそこに座っていた彼氏の席の方を一緒に見た

 

「シン、お前は今、幸せだと感じるか」
「おいおい、なんだよ、お前はそんなキャラじゃないだろう」
シンは神父が問う顔が真剣なので、少し身構えてしまった


「はは、そうだな、確かに、、でも、神父らしいだろう?」
神父もそれを察してか、軽く言葉を返した


「平和なんだが、幸福かと聞かれると。。。複雑だな

幸せの尺度なんて、他人と比べてどうか?ってのが実はほとんどだからな、、、

俺みたいに長く生きるとそういった事はもう考えなくなってしまう

ただ、、、、今の自分と昔の自分のどっちが幸せかと自身の中だけで比べてしまうと、、、

失った、、大切な人が今はもういないだから、幸福感は薄らいだかもしれない
今はもう、幸せかどうかなんて、それを確認する事は自分には贅沢だと考えるようにしている」
シンは冷めたコップのお茶を一口だけ口にした


「贅沢か、、俺の妹が、、、また花嫁だったらいいな、記憶もそのままに・・・」
「・・・ああ、もしそれが叶うなら、できる事はなんでもやるさ」
「なんでも?・・・そうか、それを聞いて安心したよ」
「安心?」
「いや、なんでもないさ、気持ちを確認できたからって事さ」
今度は神父がコップのお茶を一口飲もうとした、、だが、中身はもう、空だった

 

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