トッケビ2次続編2 第23話 誕生

シンは教会の玄関を出て、車に乗り込もうとしていた
その時、先で声をかけた孤児院の職員の人が声をかけてきた
 
「あの・・・、あなたはシスターのお知り合いですか?」
「いや、、、どうやら人違いのようです、おさがわせしました」
 
シンはシスターが赤い服の女である事に確信はあったが、
本人も本当に自分の事を忘れてしまっているようだったので、
そう答えた。
 
「そうですか。。」
「何か気になる事でもありましたか?」
シンは職員の人が何かを言いたそうだったので尋ねてみた
 
「・・・実は、あの方、、、シスターは、身ごもっているんです」
「え!? お腹に子供が?」
「はい、そうなんです・・昔はシスターが妊娠だなんてありえなかったのですが、今はそんなご時世でもありませんので問題はないのですが。。。
「そうですね、確かに教職者が所帯を持つ事自体、今はおかしくないですよね」
「はい、、そうです、、そうなんですが、、、お知り合いの方のようでしたので、相手の方の事を何かご存知かと思いまして・・・」
「相手・・とは、お腹の子の父親のことでしょうか?」
「はい、そうです」
「いや、それは・・・」
シンは返答に困ってしまった
おそらく、父親は自分が知っている神父であろうと推測はできたが、誰もしらない人の事を答える気にはなれなかった
 
「ご存知ではないですよね、、スミマセん呼び止めてしまって」
「いえ、とんでもないです こちらこそ、突然押しかけてしまって
・・・それよりなぜ、父親のことを聞いたんですか?」
シンは、この教会にシスターがずっといるなら、直接聞けば良いと感じ、不思議に思った
「それが、聞いてみても本人はわからないと言うものですから・・」
「わからない?」
「はい、それが言いたくないのか、それとも本当にわからないのかと、皆で心配しているんです」
「わからない・・・」
シンは、赤い服の女自体も記憶が変わってしまっている、もしくはなくなっている可能性があるとわかった
 
「もし、あの方に何か起こるようでしたら、こちらへ連絡いただけませんか?何かのご縁かと思いますので出来るだけサポートします」
シンはそういって、自分の名刺を渡した
「あら?あの財閥の方でしたか、助かります」
職員はそういって名刺を受け取り、頭をさげて持ち場に戻った
 
(子供・・・・)
 
シンは車に乗り込み、しばらく考えた
 
(記憶はないとしても、あのシスターは間違いなくあいつだ
他のやつらはどうなったんだ・・・)
 
シンはポケットのスマートフォンを出し、慰霊碑の前で神父と一緒にいた死神の生まれ変わりである男に電話をしようとした
アドレス帳に登録している電話番号を探した
 
「あった!」
シンは少し安堵した
もし、存在さえも消えているなら、電話番号も消えているはずと考えていたからだ
消えていないということは、まだどこかに居るとの証拠になった
シンは早速、コールしてみた
 
プルルル、プルルル、カチャッ
 
「この電話番号は現在使われておりません・・・」
 
しかし、その電話番号は解約されたようだった
 
(・・・まあ、いいさ、記憶があるかどうかわからないが、どこかに居るんだろ・・・)
 
シンはそう自分に言い聞かせて、車を走らせた
 
 
**数ヶ月後**
 
シンはまだ、誰も見つけることができなかった
探す術もなく、ただ、定期的に教会の近くまで行き、遠くから様子を眺めるしかなかった
 
夜の遅い時間、とりあえずで教会の方へ車を走らせていたシンは、
いつもの場所に車を止めた
教会の周辺の地面にはうっすらと雪がつもっていた
 
「ん?」
 
いつもの場所から、誰もいないはずの教会の建物の方に目をやると、白い地面に黒い衣が見えた
そこには、人が一人、倒れているようだった
 
「シスター!!」
 
シンは遠くから、それが人、シスターである事に気がついた
車から駆け出し、締められた門を飛び越え、倒れているシスターの元に駆け寄った
 
シンはシスターが倒れている姿を見て、一瞬立ち止まってしまった
白い地面と黒い衣の隙間に、濃い赤い色・・・血が流れているのがわかったからだ
シスターは気を失っているようだった
 
「おい!しっかりしろ!大丈夫か!!」
 
シンは声をかけながら、シスターを抱きかかえようとした
その時、手に別の違和感を感じた
 
「これは・・・」
 
そこには、生まれたばかりの小さな赤ん坊が一緒にいた
 
「・・・誰か、そこにいるの?」
シスターはシンの声に気がついたようで、弱い声を発した
「はい、います!」
シンは強い声で返事をした
 
「あら?その声は、、、彼ではないのね」
「!!お前なのか?」
シンはその口調が明らかにシスターではなく、赤い服の女の口調である事がわかった
 
「一体何が、、、ごめんさないね、真っ暗で何もみえないわ」
「見えない??」
シンはシスターの首の後ろに自分の手をやり、上半身だけ起こした
シスターは目を開けているが、黒かったはずの瞳は真っ白になっていた」
 
「何か手の中にいるわね、、とても暖かいわ、、、」
「ああいるよ、子供だよ、お前の子だよ」
シンはそう言って上着を脱いで、子供も一緒に包めるように、シスターにかけた
 
「私の子・・・」
シスター、、赤い服の女はその子を顔の近くまで抱き寄せると、頬を何度もくっつけて、その存在を確かめていた
 

ブログ村 韓ドラ二次小説

 

次話
 
最初