トッケビ2次続編 第13話 絶命
<男の妹の名>!、どこにいる!
=男は炎の中、妹を必死に探した
=一番奥の部屋に着いた時に、男は呆然とした
=そこには何人もの人が殺され、山ずみにされていた
なんてことを・・
=男はなぜか怒りから覚めてしまい、ぼう然と立ちすくんでしまった
=その死体の山の傍らに、覚えのある衣を身につけた女が倒れていた
<男の妹の名>!
=男はかけより、妹を抱きかかえた
=抱きかかえられた妹の服は、血で真っ赤にそまっている
<男の妹の名>!<男の妹の名>!
=男は妹の身体を揺さぶり、名前を呼び続けた
に・・・兄様。。。
=妹はゆっくりと、まぶたを半分ほど開いた
=生きていた、しかし、瀕死の状態である
お前、これで、抵抗したのか?
=妹は自分の手に短剣を握っていた
=男が護身用にと持たせたものだったが、その刃に使われた形跡はなかった
(なんとかこれで相手を威嚇し、近寄らせないようにしたのか・・・)
=男は妹が気丈に振る舞ったであろう事を想像し、不憫に思い、ひどく悲しんだ
=男はその短剣を妹の手から放そうとした
=しかし、握りしめたまま硬直していて、指1本さえ動かせない
=男の目にはもう、涙が浮かんできた
=妹の目は、兄の目と焦点が合わなくなっている
=男は妹がもう助からないのが分かっていた
=男は一度目をつぶり、一度息を深く吸い、、、
=決心した
(俺が楽にしてやろう)
=男は腰にあるもう1本の剣の柄を逆手に持ち、ゆっくりと抜いた
良くがんばったな・・・
今から、シンのところへ連れてってやるからな
=男はそういうと、そのまま妹へ刃を落とした
(・・・・・)
=妹は何かを言おうとしたのか、わからないまま男の腕の中で静かに息をひきとった
=男は泣いている
=今まで流したことのない量の涙を流して
(次に生まれ変わったら、絶対に幸せになるんだぞ)
=男は妹が生まれ変わりを信じていたので、そう慰め、遺骸をそっと床に寝かせた
っ痛!!
=突然、男は背中に痛みを感じた
=その自身の背中には数本、矢がささっていた
=先で逃げた兵士が仲間を呼んで、戻ってきたのだ
=男は振り返る
=何人もの男がこちらを見ている
=男は応戦しようとしたが、武器は妹に刺さった剣しかない
=刺さった剣を抜こうと一度柄をつかんだが、その亡骸を見て、これ以上は妹の身体を傷つけたくもなかった
=男は柄からは手を離し、全員を睨んでいる
=男を取り囲んだ兵士達も動かない
=兵士達を見ると、弓を放ったのは数人だけで、多くは弓を引いたままで放てないでいる
=・・泣いている兵士さえいた
=その兵士達は、男と顔見知りだった
=男はシン以外の他の部隊の兵士達とも仲が良かった
=男は知り合い達の顔を見て、冷静になっていった
(こいつらも、好き好んで従っているわけではないだろう)
=男は敵である兵士達に対して、どう感情を持ったら良いのか分からなくなっていた
=男は何も言わず、また妹の顔をみた
すまないなあ、本当に・・・
何もしてやれなくて・・・
=男はそう言うと、短剣を握った妹の手をとり、そのまま自分の喉に突き刺した
=涙で一杯の男の目が充血した
=男はまだ足らないと思ったのか、さらに奥まで突き刺した
=その力は強く、細い短剣は柄と刃の付け根で折れた
(生まれ変わったら、シンと一緒になれるといいな)
=男は喉元から逆流してくる血を、妹の顔にはかけまいとして、ぐっと口の中に含み、そのまま妹の方へ倒れ込み
=。。。死んだ
まわりの兵士達はそれを見て、全員が弓を収めた
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