トッケビ2次続編2 第3話 サニー

「シン、今から時間あるか?」
神父は尋ねた

 

「ああ、俺は全然かまわないが」

「それは、良かった
見せたい事があるんだ、一緒に出かけないか
着替えてくるから、ちょっと外で待っててくれ」

神父はそういってその場を去った

 

シンは扉をあけて外にでて、しばらく周りを眺めていた

(急になんだか、色々な事が起こってきたな・・
前にもこういう事があったか・・
起こる時は突然に、全部だな)

 

自身の境遇を少し笑った

 

「シンさん!」
神父の妹が走ってよってきた

 

「やっぱり、兄と知り合いだったんですね!」
「そうだよ、昔からの古い友人さ、遠い昔からの」
「絶対そうだと思ったわ、だって写真の男の人って、誰が見ても私の兄だもの
加工してまで渡すなんて、サプライズだったのかしら」

その子は、先で渡した写真が後から細工した物であり、兄のいたずらくらいに考えていた

 

(いや、あの写真の二人は間違いなく当時の本人だよ)
シンはそう心の中で答え、笑顔を返すのみとした

 

「じゃあ、いきましょうか」
神父は着替え終わり、眼鏡もかけて、元の口調に戻っている

 

「今日は戻らないから、しっかり皆の面倒を見るんだよ」
「え?出かけるの?、、もう、私はずっと邪魔者ね、、はいはい、わかりました」

妹は一緒に行きたそうだったが、自分の役目もあるし今回は我慢する事にした

 

「また来て下さいね、シンさん」
そういって、諦めて手を振った

シンはその子が手を振る姿が懐かしく、また嬉しかった
「必ずまた来ます」

シンはそう言って神父と一緒に車に乗った


神父は見送る妹の姿が見えなくなると、すぐに眼鏡を外した

「いや〜、ほんと前世を思い出してから、眼鏡もあの口調も面倒くさくて仕方がないんだ
実はさあ、もう目も悪くないんだよ、俺」

「いいじゃないか、ずっとそのままで、何か不便でもあるのか?」

「あるさ、周りは突然人が変わったように見えるだろう?神父さんが悪魔に取り憑かれた〜とでも思われかねないだろう?」

そう、冗談を言いいながら、
上着からスカーフを出して首に巻いた

 

「それ、、やっぱり、あの写真の当時のままなんだな」
シンは、手渡された写真の中でサニーと一緒に映っていた時と同じ格好を神父がしているので、そう言った

「そうさ、これは俺のトッケビの時のトレードマークみたいなもんだから」
トッケビの時って、お前、どうやって今ここにいるんだ」
「そうだ、その説明もしないといけなかったな」

 

神父は自身が過去に死んだ後、そのままトッケビになり、シンとは別のテリトリーでずっと生きていた事、同じように剣が刺さっていたが、花嫁がみつかり剣が抜け、存在が消えた後、生まれ変わって現世にいる事を話した

 

「誰だったんだ、お前の剣を抜いたその花嫁は?」
「サニーだよ」
神父は愛おしそうに、そう答えた

 

シンの剣が抜けて一時居なくなっていた間、その場所に自分がいて、サニーと一緒だった事
手渡した写真はその当時にサニーと一緒に撮ったもので、サニーが死ぬまで大事に保管していた物だと説明した
サニーがシン達の前から突然姿を消したのは、自分を追っかけて来たからだと付け加えた

 

「だから、突然いなくなったのか」
「そうさ、全部事情を話してから探せばいいものを、、彼女らしいけどな」
「そうだな・・・」

二人とも、サニーの事をよく知っているので、それも当時は仕方がなかった事だと理解はしている

 

「それで、サニーは俺の剣を抜いた時に手に大けがをしてな」
神父は続けた
「病院で治療を受けたんだが、そこの先生とできちまったらしい
それで、どういう因果か、サニーの孫になって俺がまたこの世に出てきたわけさ」

 

「それと・・・」
神父は少し神妙になった

「おそらくだが、、ばあさんであるサニーはお前の嫁、ウンタクが死んだ事を知らないんだ」
サニーはその後、元の街に戻らなかったため、ウンタクが交通事故で死んだ事を知らないだろうと言った

 

「そうか、、知られなくて良かったかもしれない」
シンは当時をまた思い出し、視線を遠くにやった
滲んだ瞳の涙を落とさないよう、耐えていた

神父も察したのか、それ以上は話さなかった

 

「あ、ここだ
ここで止めてくれ」
神父はシンに車を止めるように、指示をした

「いつもなら、この場所にいるはずなんだが・・・
車降りて、少し待ってみよう」
神父はそういってシンを誘い、一緒に降りた

 

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