トッケビ2次続編2 第7話 素性

神父の妹はそれを見て、先に話し始めた


「おじいさん、あの。。スミマセン。。。多分、私、おじいさんが知っている人に似ているだけだと思うの」
「いや、似ているというより、本人にしか見えなくて。。。」

「実は私・・・」

そういって、神父の方を見た
「実は?」
老人が口に出そうとする前に、シンからそう尋ねた

「いいよ、黙っている事でもないから、話したらいいよ」
そう神父は妹に言った


「実は私、親がいないんです
教会に引き取られて育ったんですが、そこで大きくなってから、ずっと支援してくれていた家の養女になったんです
なので、ここにいる兄とは血のつながりはなく、実の兄妹ではないんです」
「だから、もしかしたらですけど、どこか知らない場所に私の本当の身内がいて、その人がおじいさんと知り合いなのかもしれないです・・。」

神父の妹は真顔で、目の前の老人に少し申し訳なさそうに答えた


「そうでしたか・・・人違いかもしれませんね

それは余計な事を話させてしまいましたね、申し訳ない」
老人は死んだ人間が目の前にいるはずもないと言い聞かせ、出生の事まで話をさせてしまった非礼をわびた


「あ、全然気にしないで下さい、私は今の家族で本当に幸せなんです!ね、兄さん」
妹は兄である神父の方を見返し、そう、明るく答えた

老人もその様子をみて、安心したようだった


「ご主人様、そろそろ」
そばに控えていた執事が、ドクファの体力に限界である事をシンに伝えた
「ああ、分かっているよ」
「そろそろ、ベッドに戻ってもらうよ、いいかい、ドクファ」
「はい、シンおじさん、皆さん、本当に今日はありがとう、ありがとう
どうぞゆっくりしていって下さいね

それと、また、いつでも来て下さいね」
老人はそういって車椅子の上からなんとか身体を起こすようにして、深々と頭を下げた


「神父さん、ベッドに寝かせたいんでちょっと手伝ってくれないか」
シンの目は少し不機嫌そうだった
神父も、妹の事を詳しく話をしていない事に恐らくシンが怒っていると分かった
「あ、ああ」
そういって、バツがわるそうに老人の乗る車椅子を押して奥の部屋に一緒に向かった


「ねえ、もしかして私達、騙させれているのかしら?」
二人の姿が見えなくなるとそばで聞いていた彼女はそう、独り言のように言った
「どうしてですか?」
神父の妹は、特別不思議には思っていなかった


「だって、あのおじいさんの感じだとなんだかシンさんと神父さん、それと私の彼も・・・実は全員、今日ここで会う前からずっと知り合いみたいじゃない
はじめて会うようなフリをするって、何の得があるのかしら」
そう言って、彼氏の方を見た
「いやいや、あの3人はどうかしらないけど、本当に僕は誰の事も知らなかったし、おじいさんにも今日会ったのが初めてだよ」
彼氏はそう普通に答えた
「・・・そうよねえ、私があなたの嘘を見抜けないわけないわよね・・・」
「あなたはあの3人の事は何か知っているの?」

彼女は神父の妹に聞いた


「いえ、それが私も知ったのは最近で、おじいさんに会うのは今日が初めてです

シンさんが兄と知り合いであることは先日、シンさんが教会を訪ねてきた時に、はじめてわかったくらいで・・
逆に私はさっきまで、お二人が、兄とずっと前から知り合いだと勘違いしてました」
「私達が?お兄さんと?どうして?」
彼女の方は、少しその質問に驚いた


「いえ、兄とお姉さんが一緒に映っている昔の写真を見た事があったので・・」
神父の妹は、はじめてシンに声をかけた時に見せた写真の事を思い出して話しをしている

「あら?そうなの?・・・もしかしてお兄さん、私の隠れファンなのかしら?」
彼氏はそれを聞いて笑った
「何がおかしいのよ、だって、私と一緒に撮った写真があるって事は、きっとファンで、どこかの撮影現場かで一緒に撮ったんだわ」
「いや、妹さんとそっくりな人がいるんだから、きっと君とも似た人がどこかにいて、その人と撮った写真なんだよ」
「はは、そうかもしれないですね」
神父の妹も、彼氏の意見に笑いながら同意した

「見た目だけじゃない、なにか変な感覚があるんだけどなあ、。。私もう、わけが分からないわ」

彼女は考えるのをとりあえず、止めた


「ま、でも何か縁はあるんだよ、きっと

そうだ、今日のお礼に少しでもお手伝いしてくるよ

僕もおじいさんのところへ行ってくる」
彼氏は席を立ち、シンと神父の後を追った

 

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