トッケビ2次続編 第6話 束の間
=サニーは家路を急いでいた
=サニーが信号待ちをしていると、そこに高級車が1台止まり、中の男が声をかけてきた
久しぶり!
=その声にサニーは驚いた
=その声の主は、以前に兄と死神を世話をしていた財閥の御曹司、ドクファだった
=サニーは、実はドクファも記憶が残っているのかと一瞬思ったが、
=すぐに、自分の誤解だと気がついた
(いつものナンパの手段ね)
=ドクファは、敬語のようだが軽い口調で
よかったら食事でもどうですか、あなたのような美人には中々お目にかかかれないので、すぐにでもお誘いしたいのですが
=サニーは早く家に帰りたかったし、少しムッとしていた
・・・・・
=ドクファは、なぜかそれ以上会話を続けない
=サニーがドクファの方へ目をやると、自分ではなく、自分の肩越しにその向こうを見ていた
=サニーは視線の先を見た
=そこには、首にスカーフを巻いたあの男が立っていた
=ドクファはその男がサニーの彼氏だと思い、焦った様子で
すでに先約がありましたか、失礼しました
=スカーフの男は何も言葉を返さない
=こちらをずっと見ているので、ドクファの顔はだんだんこわばってきていた
この人、口がきけないのよ
=サニーはなんだかドクファの方が気の毒に思い、そう言ったが、
=ドクファは余計に罰がわるそうにしている
=男はメモに一言書いて、ドクファに見せた
ほんと、久しぶりだな!
=男の顔は冷やかし気味に笑っていた
=男はもう一言書き、今度はサニーがそれを読んだ
元気にしてたか、、って、そう言っているわ
え?!!
=ドクファは、なんとか思い出そうと必死だった
=記憶を巡らすがまったく何も出てこない
=ドクファは突然、思い出したかのようなふりをして言った
あ、しまった!
クレジットカードを忘れてきてしまった!!
=二人はその言葉を聞いて、
男 (お前はクレジットカードを最初から持っていないじゃないか)
サニー (あなたはクレジットカードをいつも持っていないじゃない)
=二人とも、お互いが同じ事を思っただろうとわかり、顔をあわせて笑った
=二人はドクファがお金の管理ができない男で、身内からクレジットカードを取り上げられている事を知っている
残念だけどまた、別の機会にするよ 失礼!
=そういって、車の窓がしまるのを待たず、ドクファは早々と走り去って行った
=ドクファは、彼氏の前で女性に声をかけた事に恥ずかしくなり、慌てたわけではない
=今まで何回か突然知らない場所にいたり、床に倒れ込んで気を失ってしまっている事があった
=自分では全てはワインで酔ったせいだと言い聞かしてはいるが、不安はずっと残っていた
=記憶にない男が、自分の事を覚えている事に怖くなってしまったのだ
あの子の事も知っているの?
=サニーはたずねた
=男は大きく笑った
ああ、シンがいる時に何度かあいつの身体を借りたからな
ある意味、とても親密だよ
あいつはさ、純粋な奴なんだ
俺は気に入っているんだけどな
=サニーは不可思議そうな顔をしてから、
=自分の用事の事を思い出した
そうそう、今日は私いそいでるの、新しい人が自宅の上に引っ越してくるのよ
だから、挨拶で会わなきゃいけないの
何か急用があって現れたの?
=サニーは自宅の上を人に貸しており、今日、新しい入居者がくるのに待ち合わせに遅れそうで急いでいた
=男は首を横に振った
じゃあ、失礼するわね
かわりになんだけど、明日、お店に来られないかな?
聞きたい事がまだあるし、渡したいものもあるのよ
=男はだまってうなずいた
=サニーは首の動きで返事する男の仕草が子供っぽく見え、少し愛おしさを感じた
じゃ、また明日ね!
=サニーはそういって自宅に向かった
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