トッケビ2次続編2 第6話 年老いた友人

食事をはじめてしばらく、皆がくつろぎ始めた頃、シンは皆に声をかけた


「実は、この家にはもう一人住人がいるんだ
食事が一緒にできないから最初に紹介していなかったんだが、呼んでもかまわないかな」

 

「勿論ですよ!」

その場の全員が歓迎した

 

「ありがとう、すぐに連れてくるよ」

シンはそういって奥の部屋へと行った


「誰かしら、、また誰か有名な人かなあ」
妹の方はいろんな人を頭で想像していた


「私より有名な女優さんだったらどうしよう」
彼女の方はそう冗談を言い、皆を笑わせていた

 

シンが戻ってきた
連れてきたのはかなり歳をとった老人で、うつむいたまま専用の車椅子に押されて入ってきた
傍らにボンベを付け、呼吸も自力ではできない様子だった

 

「会長です」
シンは、そう紹介した

車椅子の老人はそう言われて顔をあげ、皆を見た

 

「ああ、どうしてみんながここに!!」
老人は皆をみたとたん、大きな涙を流し始めた

 

「夢をみているんだろうか?・・・
僕だけこんなに歳をとったのに、みんなはそのままじゃないか」
老人は歳に似合わない、青年のような話し方だった

 

「誰だかわかる?僕だよ、ドクファだよ! ずっと一緒にいたじゃないか、ドクファだよ!」
その老人は昔、シンと死神達と一緒にいた、ドクファだった
今の彼の年齢は100歳を軽く超えている

 

「まだ、生きていたのか」
誰もその老人の事は気づかないようだったが、神父だけは気がついた
自分がトッケビであった頃、ドクファの身体を何度か借りた事があったから名前を聞いてすぐに分かった
神父がシンの方に目をやると、シンは大きくうなずいた

 

「もうちょっと、こっちへ寄って欲しい
ちゃんと、みんなの顔が見たい」
そう言われ、皆は席を立って老人のまわりに集まった

 

「ここは天国だねきっと、僕は死んだんだろうか、ねえ、シンおじさん」
「はは、まだ死んでないさ、ちゃんと生きているよ
俺も驚いているんだよ、お前と一緒さ」
シンはドクファに優しく、そう答えた

 

ドクファは端に並んでいた彼氏の方を見て、
「二人は付き合えたのかな? 幸せにやってますか?」
「二人とも突然いなくなるんだから、心配してたんだよ」
そういうと、彼女の方に目をやり
「死神のおじさんは、ぶっきらぼうだけど、真面目で優しい人だからきっと上手くいってるよね」
「え!。。死神のおじさん?・・・」
彼女は彼氏の事を死神と呼ぶその老人の問いに、頭が真っ白になっていた

老人は彼氏の方に同じ問いをするかのようにまた、彼氏の方を見た

彼氏は老人と視線があうとすぐに
「ああ、おかげで上手くやれてるよ」
彼氏の方はなぜか、自然にそう答えてしまった

「・・・」
そんな彼氏をみて、彼女の方は何を話して良いかわからなくなってしまった

 

「そっか、良かった!それと、、、」
老人は神父の方に目をやった
神父は何も言わず、手を軽くあげて挨拶だけした
「おじさんの事も知っているよ、なぜか会った後の記憶がいつも飛んでいるんだけど・・
一緒に沢山飲んだのかな??きっとどこかのバーでいつも会っていた人ですよね」
「そうですよ、思い出してくれてありがとう

君とはもう、何回も会っていますよ

会う時はいつも私の方から一方的でしたから・・・申し訳なかったです」

神父は軽く、会釈して詫びた

 

最後に、神父の妹の方へ目をやった
「・・・ウンタクさん、、、ですよね?・・・・どうしてあなたがここに??」
老人は神父の妹の時だけ反応が違い、神妙な面持ちだった
老人は交通事故で死んだはずのウンタクが目の前にいる事が信じられなかった

シンの方へ顔を向け、感情をうかがった
「おじさん、どうしてウンタクさんがここに来れてるの?・・・

おじさんの一番大切だった人・・・」

「それは。。。」

シンは何も答えられなかった

 

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